白馬岳(しろうまだけ)とは…⁉︎
白馬岳(しろうまだけ)は、富山県と長野県の県境にある標高2,932mの日本百名山です。周辺は「後立山」の領域にあたります。北アルプス北部を代表する白馬岳ですが、杓子岳(標高2,812m)、白馬鑓ヶ岳(標高2,903m)と共に「白馬三山」と呼ばれ、初めて登った北アルプスが、白馬岳の人も多いと聞きます。山容は、非対称山稜と呼ばれ、東面の長野県側は急崖となり、西面の富山県側は緩傾斜帯、これは糸魚川・静岡構造線という大断層の生い立ちに寄ります。また、このあたりは、積雪期には一週間以上風雪が続くこともあり、膨大な積雪量、天気も変わりやすく、世界でも最悪の気象地域の一つにあげられています。美しい景観が愛されていますが、白馬大雪渓、お花畑、コマクサ大群落などがあり、近くには雲上の露天風呂、白馬鑓温泉、白馬大池、コースの要所に山小屋があり比較的容易に登れるため、北アルプスでも屈指の人気を誇っています。白馬大雪渓は急崖の谷間に全長3.5km、標高差600mと日本一のスケールであり、1年中雪が残り、剣沢雪渓(剱岳)、針の木雪渓(針の木岳)とともに日本三大雪渓の一つです。お花畑は、白馬大雪渓の上部に広がり、雲上の花園、本州一の規模を持っています。7、8月にはシラネアオイ、シナノキンバイ、キヌガサソウなど色とりどりの高山植物が咲き競います…
登山コース…
登山コースは、 以下の3つのコースが一般的です。どのコースも一様に見所あり、楽しさありですが、初めての方には、1.のコースで登って、2.のコースで下る周回コースがお勧めです…
- 猿倉から大雪渓経由
- 栂池から白馬大池経由
- 白馬鑓ヶ岳、杓子岳からの縦走コース
山頂…
山頂からは、北アルプスの山並みほか、すこぶる、すばらしい展望が望めます…
深田久弥…
日本百名山の深田久弥は、「大雪渓あり、豊富なお花畑あり、眺望がすこぶる良い」と紹介しています…
山名…
明治時代に白馬岳に登ったウェストンの記述によると、当時、白馬岳を越中、越後では「大蓮華岳」と呼んでいたそうです。 現在でも近くに小蓮華山、蓮華温泉の地名が残ります。信州側では、もちろん「しろうま」とも呼んでいたそうですが、「西山」あるいは「西岳」と呼ぶこともあったようです。「しろうま」は、5月下旬、東側斜面に「馬」の雪形が表れ、これを目安に田植えのために田をかきならす「代かき」を行ったことに由来するのだそうです。そして、参謀本部陸地測量部が5万分の1の地形図を製作する際、地元では、「代馬岳(しろうま)」の名称を提出したそうですが、誤って「白馬岳」と表示された。これが、白馬岳の名前の由来として流布されています。また、明治の頃、白馬岳の登山口あたりは、四ツ谷村と呼んでいたそうです。合併をしながら、現在の白馬村に名称変更しています。以前は「信濃四ッ谷」と呼ばれていた大糸線の駅名も、「白馬(しろうま > はくば)」と変更されています。大体、以上が通説ですが、ウェストンは、同じ書の中で「大蓮華岳」の呼称とともに「しろうま」とも「はくば」とも呼ばれていたとの記述もあります…
山小屋…
頂上付近の山小屋・白馬山荘では、古くからの山小屋のイメージはなく、スカイプラザと称するレストランがあり、フランス料理も注文することが出来ます。個室もあります。日本一の規模です…
<推薦図書>
『山の星月夜』(小学館)で、デジタル写真を駆使して撮影した星月夜の写真の新境地を拓いた氏が、同じ手法で白馬岳に挑みます。白馬岳周辺の四季の変化を、水や花などの「生命」をテーマに展開。その迫力は前作を凌ぎます。特に、デジタル写真の特徴を生かした夜間撮影は必見…
書籍名:白馬岳 自然の息吹き
著者名:菊池 哲男