山道具の買い出しに…
大学のワンダーフォーゲル部に入部すると、新入生歓迎会で、まず最初に言われたのが「10万円あるか…⁉︎」ということ…。ヤクザとも新手の詐欺とも取れる狡猾さで、さも当たり前かのように言われたが、当時大学入学したばかりの私にとっては10万円という金額は大金だった…
今迄の貯金、親からの仕送り、始めたばかりのアルバイト代を掻き集め、ようやく到達する金額をたった1日で使い切ることに、恐れや一種の高揚感があったことを鮮明に覚えている…
最初に買った山道具は…⁉︎
ワンダーフォーゲル部の先輩に連れられ向かったのは、水道橋にある「さかいやスポーツ」という山道具屋…。当時は確かウェアと靴の2店舗しかなかったと記憶しているが、今では6店舗も密集してあるらしい…
で、先輩に言われるがままに購入したのが、こちら…↓
- 登山靴
- ザック
- 雨合羽
- シュラフ
- マット
- 山用シャツ
- 山用靴下
- ポリタンク
- 食器
- ヘッドライト
今思えば恐れ知らずだとは思うが、生まれて初めての登山が、鹿島槍ヶ岳から爺ヶ岳へ抜ける山中2泊のプランで、その縦走に向けての装備としては必要十分であり、必要最小限だと思える…
皮の重登山靴、さかいやオリジナルのザック、ノースフェイスの雨合羽、#4のシュラフ、固いスポンジ製の銀マット、ウールの山シャツ、厚手の山用靴下、エヴァニューの2Lポリタンク、お揃いの食器、ナショナルのヘッドライト…を基本的には先輩に勧められたモノを鵜呑みにし、買い物カゴがいくつか満タンになっていく…
積み上がった金額は、当然だが先輩の言っていた10万円に近づき、今更ながら「やっぱりこんなにするんだ…」と、実は余りかからないかもなんて期待をいとも簡単に吹き飛ばす…
登山を始めるのだ…
帰りは便利なモノで、ザックに全てを詰め込み、背負ってみると、更に心臓がドキドキなのかバクバクなのか、明らかに動揺や高揚している自分に気づくのである…
このワンダーフォーゲル部の恒例らしく、昼食はこれまた恒例という水道橋駅近くのとんかつ屋に行き、そしてまた先輩が購入後の新入生にご馳走するのも恒例らしく、1,000円を超えるとんかつに感動や感謝に加え、期待や決意が込み上げてくる…。僕は本当に、登山を始めるのだと…
<推薦図書>
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