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育児と仕事に格闘しながら、住まいや家庭を考える…

育児・子育て、注文住宅、仕事、イラストなど様々な活動を纏めてみました。



3年で長時間労働をやめなければ日本は破綻する⁉︎

政府が設置した産業競争力会議のメンバーである、ワークライフバランス社・小室淑恵さんが、「3年で長時間労働をやめなければ日本は破綻する」と提言した。この提言が非常に興味深い。

 

小室淑恵さんとは?

まず小室さんとは何者なのかだが…

ワーク・ライフバランスコンサルタント。これまで600社のコンサルティング経験を持ち、日本企業の風土にあったワーク・ライフバランス施策導入のコンサルティング提案が好評を得ている。1999年(株)資生堂に入社。2000年、入社2年目で社内のビジネスモデルコンテストで優勝し、出産を経ても働き続けられる社会を実現するために、インターネットを利用した育児休業者の職場復帰支援サービス新規事業を立ち上げる。日経WOMAN・オブ・ザ・イヤー2004・キャリアクリエイト部門受賞。2005年に資生堂を退社後、2006年4月に出産、7月に株式会社ワーク・ライフバランスを設立。女性の育児休業者に限らず、男性の育児休業者、介護休業者、うつ病などでの休業者が職場にスムーズに復帰することができるようにサポートする仕組み「armo(アルモ)」を開発。近年増加傾向にある、様々な事情で仕事を休まなくてはならない方も復帰後に職場でステップアップできる仕組みを創ることで、多種多様な価値観を受け入れられる日本社会にするべく、日々尽力している。「armo(アルモ)」は2006年11月に第3回「日本ブロードバンドビジネス大賞」を受賞。また、ものごとをわかりやすく、論理的に伝えるプレゼンテーションには定評があり、伊藤忠商事(株)、(株)JTBコクヨ(株)をはじめとして、リーダーシップや人材育成に関する社内研修・講演も数多く行っている。私生活では2003年に結婚。2年間の日本―アメリカ間での遠距離結婚生活を経て、2006年4月、第一子を出産。充実したワーク&ライフを過ごす活動的な女性として多くの人から支持を得ている。

出所)小室淑恵プロフィール / 講演会の講師紹介なら講演依頼.com

要は、企業に対し、ワークライフバランスを推進するコンサルティング会社の代表であり、日本においては、その第一人者なのである。

 

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3年で長時間労働をやめなければ日本は破綻する。

その小室さんがどんな提言をしたかというと…

一億総活躍国民会議」で今春策定される「ニッポン一億総活躍プラン」の中には、「総労働時間の抑制」という言葉が盛り込まれる見込みです。私は長時間労働の是正について、ずっと政府の動きをウオッチしてきましたが、この言葉が政府の定める方針で出てきたのは初めて。安倍首相も、「働き方改革は次の3年間の最大のチャレンジです」と発言しています。なぜ政府の意識は変わったのか。それはこの3年で「働きながら子育てできる」と実感できる社会を作り、出生率を上げないと、日本は経済破綻を起こすということを、政府が理解し始めたからです。日本におけるベビーブームは第1次、第2次で終わってしまいました。そうなると、出産適齢期にあたる人口のボリュームゾーンは、いわゆる第2次ベビーブームの時にうまれた「団塊ジュニア世代」しかありません。ただ、その「団塊ジュニア世代」の出産適齢期は、医療の手を借りてもあと2~3年だと思っています。だからここで手を打たないと、いくらこのあとに対策を打っても手遅れになってしまうのです。もしこのまま今の出生率が続いた場合、2100年の日本の人口は現在の4割にまで落ち込みます。そしてそのまま下げ止まらずに減っていく。人口が減り続ける国では借金が返せませんので、2100年を待たずして経済破綻が起きると思います。一方で今対策を打ち、出生率が回復して7~8割にとどまれば、世界の中で非常に安定した経済の位置をキープすることができます。実際に私たちがコンサルティングをしている企業の例で考えてみましょう。まずコンサルティングに入る前の「労働時間の上限がない企業」では、月末や年度末までにいかに成果を出すかという戦いになります。「期間あたり生産性」といいますが、これをすると、自分が勝つためにはノウハウを他人と共有せず、自分ができる限りの時間を費やして他者と差をつけるという「個人戦」に走ることになります。その結果、以下のことが起こります。

  1. 時間的制約のある育児・介護中の社員は勝負に勝てなくなりモチベーションが下がる
  2. 独身社員に仕事が集中して婚活の時間がなくなる 
  3. 男性社員が育児に参加できず第2子がうまれない 
  4. 育児中女性社員のモチベーションが下がり管理職を打診しても受けなくなる 
  5. 介護中の社員が離職し、ベテランのノウハウが失われる

一方で、「労働時間に上限のある企業」になるとどのような変化が起こるのか。生産性をあげるために、1時間あたりの成果を競い合うという評価制度に変える必要が出てきます。「時間あたり生産性」といいますが、これを評価基準にすると、時間内に成果を出せばいいということになり、時間的制約のある社員のモチベーションが上がります。また、独身社員、子どもを持つ男性社員にも「ライフ」の時間ができる。全員が協力して効率を上げていかなければならないので「チーム戦」になり、ノウハウが属人化せずチームで共有されるようになります。そうすると、前にあげた5点が解消されますよね。これと同じことが、日本の社会でも言えるのです。三六協定で労働時間の上限を設定すれば、企業間の争いは「短い時間で高い労働生産性を競う」という形に変わります。すると結果として「働きながら子育てできる」環境が整い出生率が上がるうえ、GDPも向上し、介護離職0も達成できると私は考えています。1990年代半ばまでは若者がたっぷりいる社会でした。しかし、これからは高齢者が大半である社会に変わっていきます。ですから、男女で効率よく仕事をして、多様性で勝っていく社会に飛び移らないといけない。政府と企業の経営者に加え、個人の仕事のやり方を変えることも必要だと思っています。時間的制約のない人たちは長時間労働をしても本人は問題ではないかもしれない。しかし、その人との比較の中で時間が足りないから何かが足りないのだという苦しさみたいなものを、育児中の社員は持っていると思います。その結果、一番危ないと思っているのはその葛藤の中で子どもにあたってしまうことです。例えば、育児中の社員が職場で肩身の狭い思いをして、仕事ができないという犠牲を払って、全力で保育園の子どものお迎えに行ったとします。そこまでして急いで迎えにいったのに、子どもに「まだここで遊んでいたい」と言われるとすごくショックな気持ちになって子どもにあたってしまう。そしてその直後にすごく罪悪感を持って、もう2度とこういう思いをしたくない、私が仕事に未練があるからいけないのだと思い、仕事へのモチベーションを下げてしまう女性ってたくさんいるのではないかと思っています。ですから、労働時間の上限を入れることによって、フェアな戦いができ、きちんと評価され、生産性が上がるという仕組みをつくっていかないといけない。育児をしていない人は長時間労働でいいということではなく、社会全体で考えなければいけない問題だということを認識してほしいと思います。

出所)小室淑恵、「3年で長時間労働をやめなければ日本破綻する」/マイナビニュース

全てがうまくいくとは限らないが、この提言自体は本質的だとも思うし、期待する効果も的外れではないと思う。

 

私なりの解釈を加えると…

小室さんの提言をベースに私なりの解釈や私見を加えると…まず何度もこのブログでも書いてきてはいるが、日本にとって一番の問題であり課題は、少子化問題であり少子化対策であることは明らかだ。様々な問題がこの少子化に起因しており、かつこの少子化を解消すれば多くの問題が解決するからだ。現状ですら、多数の高齢者を少数の若者が養う構造が出来ており、この比率がますます高まり、2050年を超えるあたりには、労働人口(15歳〜64歳)1.3人で、65歳以上の日労働人口1人を養うという恐ろしい時代を迎えるのだ。言ってみれば、自分が働いて得た収入の半分は税金として、高齢者を養う為に徴収されるのだ。

 

一方で、今の高齢者が労働人口だった時ほど収入も確実に得られないであろう。すでにかつての日本企業の典型的な経営思想であった、終身雇用・年功序列・企業内組合は崩壊し、成果主義がますます進行すると思われる。かつての、会社に福利厚生含め雇用を守られ、成果の是非問わず報酬が上がっていた時代は、とっくに終わったのだ。これも起点は少子化にある。企業が終身雇用・年功序列・企業内組合を維持する為には、年齢構成が若年層と高齢層が少なくとも同比率であることが前提であるが、今や同比率どころか歪な逆ピラミッド型となっている。煽りをくったのは、バブル崩壊後に入社した社会人であり、それ以前に入社した社員を養う為に成果主義が導入され、労働人口が得る報酬自体も激減したのである。会社における報酬に限らず、年金、健康保険、雇用保険、銀行金利に於いても、この構造は変わらない。今の高齢者に約束したお金を配賦することを維持する為に、この全てを若年層が煽りをくっているのだ。今の若年層が、高齢者層よりも生涯で1億円損をしていると言われるのは、こういった理由なのである。

 

さらにそれだけではない。収入は減っているにも関わらず、物価自体は徐々に徐々に上がっている。同じ金額のお金を持っていたとしても、実質は目減りしていることになる。このあたりは記事「高齢者蔑視をするつもりはない。社会保障も理解する。でもその税の使い方は絶対に間違っている💢」も是非参照いただきたいが、少子化が起因し、今の日本の経済成長率(アジアでも下位)につながり、この少子化が益々比率として高くなり、日本の人口自体が大減少を迎えるというのである。

 

小室さんの提言によると、このままいくと2100年には、今の人口の4割になると言っているので、約5000人の人口になるというわけだ。中には人口が減れば、より住みよい国になると思われる人もいるだろう。満員電車は解消され、地価は下がり、快適な生活になるだろうと…。私はそうは思わない。人口が減れば東京への一極集中はますます進み、満員電車は解消されず、土地はアジア新興国(中国・インド)に買い占められる為、けしてそうはいかないと考えるからだ。それでけではなく、人口が減ればマーケットは縮小し、労働人口が減り、企業はさらに淘汰されることになるだろう。企業が減れば、当然ながら非労働人口は増え、失業保険は増し、さらに労働人口にかかる負荷は重くなるだろう。そして競争も激化し、企業は経営を維持する為に、さらなる人件費の圧縮に迫られるからだ。それだけではなく、日本株式は暴落し、海外からの投資も消極的になり、日本全体の経済がますます停滞し、悪循環を辿るのだ。小室さんの提言は、その少子化に歯止めをかける一案であり、妙案であると思う。確かに「段階ジュニア世代」はまだ人口数もそれ以降の年代と比較しても大きい為、今まさに手をつけなければ、取り返しのつかないことになるというのも、本気で世の中全体で危惧しなければならない最終期限なのだ。

 

長時間労働を止めれれば、確かに公平にキャリアを評価でき、小室さんが言うように、

  • 婚活や自己研鑽に時間を割ける。
  • 子育て、介護に時間が割ける。

だけではなく、今までの総労働時間を確保する為に、今まで避けていたママ層、高齢者層にも採用の門戸が開かれ、結果としては、失業保険等の支出は減り、高齢者層の収入は増えるわけで、今ほどの社会保障負担が軽減されるかもしれない。長い目で見れば、この視点がなければ、ただ時間が増えても子どもを産もうと思わない層も、社会保障負担等が減れば、生活の目処が経ち、少しでも少子化に歯止めが立てばいい。直近で言うと、保育園問題が直接的で最も効果も高いというのは間違いないが、長い目で見るとここでこの手を打たなければ、継続的な解消にはつながらないのだ。

 

今後ますます期待したい…

 

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著者名:小室淑恵